第117回 『慕情』

『愛より急ぐものが どこにあったのだろう愛を後回しにして何を急いだのだろう』

中島みゆきがマイブームになっている。1日に1回は必ず聴いている。昔から知っていたし、『良い曲やなぁ。』って思った曲もたくさんある。が、しっかり腰を据えて聴いたのはこの年になって初めてである。猫関連の動画を視聴している時に中島みゆきの曲がおすすめに出てきたのがきっかけで何気にクリックしたのが『慕情』という曲である。冒頭の歌詞で完全にやられてしまい、涙腺崩壊である。

『甘えてはいけない 時に情はない 手離してならぬ筈の何かを間違えるな 振り向く景色はあまりに遠い』

『時代』『地上の星』『悪女』『ファイト』『命の別名』等々名曲は数あれどこの『慕情』は完全に私の心にマッチしてしまった。

慕情とは異性を想う心、というのが一般的であるが私の場合は異性ではなく、同性である。あ、いやいや、人間ではない。犬である。今は亡き相棒マックスの事である。マックスを想う時に湧き上がる感情がそのまんまこの歌詞に表現されていて、最初聴いた時には度肝を抜かれた感じになった。そして涙・涙・涙である。

にしても中島みゆきという歌手はすごい方だ。色々な方達が中島みゆきの曲をカバーしているが、全く響かない。綺麗に上手に歌ってるだけで全く響かない。中島みゆきが歌うと歌詞がズドーンと響き、そして曲の世界の情景が見えてくるのだ。歌唱力とはこういう事なんだろうな。中島みゆきの曲を聴いていると、本来、歌というのはこういう事なんだろうなと再認識させられる。本物は凄いなと唸らせられた次第である。

『もいちどはじめから もしもあなたと歩きだせるなら もいちどはじめから ただあなたに尽くしたい』

もうすぐ

隣にマックスがいない桜の季節がやってくる。

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