第48回 『八万四千の応用と一の基本』

ここんところワンポイントレッスン時において飼い主さんとの歯車がどうも合わない・・・。飼い主さんの希望に沿う指導が出来ていない・・・。溝が生じてしまう・・・。何故だろう・・・。何が足りないんだろう・・・。

って事がここ一、二か月私の頭を悩ましておりました。プチスランプに陥ってました。こういう時の私はひたすら読書です。読書は常にしておりますが、道を求める時は読書熱が5℃程上昇します。先哲の言葉に救いを求めます。

法華経に関する本を読んでいる時にハッと気付かされました。そこに答えがありました。

『対機説法が出来ていなかった・・・。』

お経の数は八万四千種あるらしいのですが、内容を突き詰めると全て同じ所に帰結します。『諸悪莫作。衆善奉行。』意味は『良い事をして、悪い事をしない。』ただこれだけの事なのに八万四千もあるのは、お釈迦様は教えを乞う人の度量に応じて説かれたからです。その人の理解力や置かれた境遇、性格等を考慮し、理解しやすいように説かれたからです。

ここ最近の自分は対機説法が全く出来ていなかった。自分のやり方や考え方を一方的に押し付けていた。

『何てこった・・・。』

『そりゃ、歯車合わんわ・・・。』

それが分かればすぐに自分の指導法を再チェックです。『あの飼い主さんへはこう言うべきだった・・・。』『あの飼い主さんへの指導はこうすべきだった・・・。』『あの飼い主さんには・・・。』『あの時は・・・。』

全てがクリアーになった時、申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。犬に対して。飼い主さんに対して。

失敗は成功の母とは古来よりよく使われる言葉ではありますが、それにしても己の未熟さにはほとほと呆れます。基本を忘れると壁にぶつかる。土台が崩れると全てが崩れる。

その事を思い出させてくれた多くの飼い主さんと犬達に深く深く感謝です。そして懺悔です。

精進します・・・。

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