先日、少々難しい問題を抱えた犬のしつけに行ってまいりました。柴犬二匹(共にオス、二才と三才)で、エサに対する執着心がすさまじく、エサの時間になると争いが起こり、仲裁に入った飼い主さんが嚙まれ14針も縫う程の怪我を負って以来、エサの時間になると別々の部屋に移動させてあげているとの事。二匹仲良く同じ部屋で食べさせたいが、飼い主さんの恐怖心が強くなってしまいとても出来ない。かと言ってこの先エサの時間になる度に別の部屋に移動させる事に疑問を感じホトホト困り果てておられました。
約一時間半の指導で犬の態度・表情がころっと変わりましたが私が犬に指導したのは約10分です。残りの1時間20分は飼い主さんへの指導です。問題行動発生のメカニズム、治す方程式、方程式を解く為の心の持ち方・養い方等です。「目からうろこです。」と仰っていただき、飼い主さんの表情が明るくなったところで辞去しました。そしてその二日後わざわざ喜びの電話をかけてこられました。「激変しました。」と。同じ部屋で二匹同時にエサをあげれるようになったようです。このコラムをアップする前に確認を取りましたが順調にいってるみたいです。
犬のしつけに必要なものは技術よりも心です。犬と向き合う際に必要な心とは毅然とした心です。毅然とした心になるにはどうすればいいのか。自然の摂理に極力逆らわない生活を送る事です。
自然の摂理とは
『空腹で当たり前』
『不便で当たり前』
『不快で当たり前』
の三点です。
空腹と不便と不快に慣れ親しむ事により心は鍛えられ整えられ、犬との正しい上下関係が築けるようになります。
ネットや本を調べて技術を身に付けるのも結構。しつけ教室やトレーナーから技術を教わるのも結構。しかしその技術を使う者の心が薄弱であれば無用の長物と堕してしまいます。
犬を変える前に己を変えよう。己が変われば犬は勝手に変わります。
極力
自然の摂理に逆らわずに生きましょう。
私は
生涯かけて努力しますよ。