第73回 『恐怖症』

ここ最近偶然にも同じ問題を抱えた犬のご相談が三件続けてありましたので今回はその事に少し触れていこうと思います。

内容は恐怖症です。

音に過敏に反応する。外を歩けない。雷の音で脱糞する。恐怖心から噛みつく、吠える、パニックになる・・・等々。

動物の世界に恐怖症はありません。恐怖心はありますが、恐怖症はありません。母なる大自然の下では恐怖症は起こりません。人間と関わる事で恐怖症になってしまうんです。人間が犬をおかしくしてしまっているんです。

恐怖症の原因は社会化不足と過干渉です。生後一か月から四か月の飼育環境がとても大切で、一番吸収力がバツグンの月齢期に社会化が足りないと脳が正常に成長せず、環境の変化に弱くなります。それから過干渉ですが、恐怖症を発症する犬の飼い主はほぼ例外なく愛情が細やかで、気遣いが出来て、せっかちです。恐怖症を発症する素因のある犬が、気遣いが出来るせっかちさんに飼われるとだいたい恐怖症になるか、それに近い状態になります。犬が音や環境に怯えている時に愛情をかけたり反応したりする事で余計に敏感になってしまうんです。それの積み重ねが恐怖症です。

では、恐怖症を克服する方法は何か。

超強力なリーダーシップと運動。この二つしかありません。超強力なリーダーシップで犬を導き、たっぷりの運動をかける。言い換えれば犬の意識を外ではなくリーダーに向けさせるという事です。オヤツや細やかな愛情では恐怖症になっている犬の意識をこちらに向けさせる事は出来ません。

強力なリーダーシップをいかにして身に付けるか。

母なる大自然に一歩でも近付く事です。少しずつでもいいから己を律する努力をして、生命エネルギーを高める事。近道なんてない。

日々反省、日々奮起をたゆまなく続けるしかないんです。

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