第98回 『ひと夏の・・・。』

連日暑い日が続いているが朝晩はだいぶ過ごし易くなってきた。ツクツクボウシが鳴き始め、赤とんぼが機嫌よさ気に飛び回る。暑さに捉われず、静かな心で周りを見渡せば秋の訪れを感じる事が出来る。時の移ろいに若干の寂しさを感じなくもないが、やはり秋の気配を感じる事は嬉しいものである。

気付けば8月も半ばを過ぎたが相変わらず夏時間のスケジュールで動いている。毎日時間と格闘しながら多くの犬と飼い主さんと向き合っている。私はよく飼い主さんから色々な物を頂く。季節の食べ物や産地の名物、アルコールを始めとした各種飲み物、日用品等様々であるが、先日とある飼い主さんから靴を頂いた。この仕事をして20年以上になるが靴は初めてである。しかもブランド物。ミズノである。見るからに高そうなのでそれとなく値段を聞くとたまげた。ファッションに全く興味のない私が愛用しているノーブランドの靴の約6倍の値段である。目ん玉飛び出るか思た。

頂いたその日に早速履いてみたのだが、履き心地の良さにまたまた目ん玉が飛び出た。底が厚く、地面にしっかりフィットしていて、それでいて軽い。『何じゃこりゃぁぁぁぁ!!!!』である。松田優作化現象である。しかも先に樹脂が入っているので犬につま先を嚙まれても安心である。『ううむ・・・ミズノ恐るべし・・・。』とうなりながらもほくそ笑む。

ブランド物の高い靴は値段に見合う価値がある。という事に今更気付かされた。喜んでいいのか悲しむべきなのかよく分からんが、45才中年男のひと夏の体験であった・・・。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です