第23回 「18日」

今日はとある犬の月命日です。私にとって忘れる事の出来ない、とっても思い出深い犬でした。15年近く関わらせていただき、その間に訓練競技会にも数多く出陳し、多くの賞を受賞し訓練士としての自信を与えてくれました。

その犬との初めての出会いの光景はよく覚えております。車からブワッッ!!!と飛び出し、もんのすんごいエネルギッシュに草木の匂いを嗅ぎ回りながら放尿・放尿・また放尿。これでもかっ!!!てぐらいの放尿。とにかくヤンチャで落ち着きゼロ、って犬でした。力も強く、その犬の訓練は骨の折れる作業の連続でしたがとても楽しかったです。その犬とのボール遊びや訓練が生き甲斐でもありました。

しかし命あるものの定めに抗う事は出来ません。9歳を過ぎた頃から白髪が目立ち始め、動きも緩慢になりました。「お前でも年取るんやなぁ。」などと言いながらのんびり歩いたものです。

15年間四季を共にし、あらゆる場面を共有し、様々な経験をさせていただきました。死に目にも遭え、葬儀場まで運ぶ事も出来ました。飼い主さんの「あなたには長い事お世話になりました。本当にありがとう。」の言葉は私の財産です。

訓練士は犬に生かされ、犬から多くの事を学びます。これからも私は多くの犬に生かされ、多くの事を教わるのでしょう。

今は亡き犬の写真を見ながら様々な事に思いを馳せる今日この頃であります。

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