第84回 『諫言で恩を返す』

今月初めから引っ張り癖の激しい柴犬のしつけをしている。警察犬訓練所に3か月預けていたが改善せず、担当の訓練士に唸ったり牙を見せるようになったので、飼い主さんは訓練所に対する不信感から犬を連れて帰ってきたのだが、相変わらず引っ張るし、神経質になって余計扱いにくい犬になってしまい途方に暮れていたところ、ある方の紹介を受けて私に連絡が入り関わらせていただく事になった。

初対面の時の飼い主さんの表情は今でも目に焼き付いている。不信感丸出し。そりゃ、そうなるわな・・・。犬は犬で、リードをつけようとすると唸る。そりゃ、そうなるわな・・・。

問題行動改善の為に訓練所に預けるのは間違いである。特に日本犬はやめたほうがいい。訓練所は基本訓練や高等訓練を教える施設であって、問題行動を改善する場ではない。いくら基本訓練をきっちり教えても引っ張り癖や噛み癖とは全く関係がない。事実私は日々色々な問題を抱えている犬と向き合っているがスワレやフセは全く教えていない。

する必要のない検査や手術をしたり、出す必要のない薬を処方したり、打つ必要のないワクチンを打って金をまきあげる現代医療とやってる事は同じじゃないか。全国至るところにある訓練所の方達はそこのところをもっと考慮し、研究するべきだと思う。満足してはいけないでしょ。一生勉強でしょ。訓練としつけは全く別物だ。

ちなみにその柴犬、今は落ち着いて歩くかわいい子になっている。って言うか私がリードを持った初日からちゃんと後ろをついて歩くようになっている。それを見た飼い主さんはとても驚いていたが問題行動とはそんなものだ。あとは飼い主が努力を続けるのみ。シンプルな作業を無意識に出来るようになるまで習慣化していくのみ。

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