第101回 『お門違い』

格闘家の朝倉選手が完膚なきまでに惨敗を喫し、SNS界隈を賑わし、ヤフーのトップニュースにも取り上げられ、『一人の格闘家の試合でここまで騒がす事が出来るとは・・・。』と改めて朝倉選手の影響力の大きさを感じた。負けてしまった事は残念だが、彼が抱えている物の多さを思うと致し方なしかと思う。抱えている物が多ければ多い程、エネルギーが分散し、自然一つの物事にかけるエネルギーも弱ってしまう。それは当然努力不足に繋がる。『凡才プラス努力は天才マイナス努力に勝る』である。朝倉選手にはしっかり休養し、またカムバックを果たしていただきたいと思う。

犬のしつけにおいてもエネルギーは非常に重要である。動物は強いエネルギーに従う。私はどの飼い主に対しても『犬にルールを教える為にはエネルギーを整える必要性』を説く。

『強いエネルギー』を誤解している人は非常に多い。スポーツ選手、格闘家、やり手の経営者、見るからに元気ハツラツな人・・・。それらの人達は人間の世界ではエネルギーの高い人になろう。しかしそれらの人達が皆犬のしつけがきっちり出来るのかと言うと決してそうとは言えない。動物が感じるエネルギーと人間が感じるそれとは違うからだ。

『強いエネルギー』とは『眼前に集中する力』である。言い換えれば『行動と意識が完全にリンクしている』状態を言う。その力を養う為には極力文明の利器に頼らない努力だ。故に、原住民族の方達が世界で一番エネルギーの高い人間である。

動物は今を生きている。過去も未来もなく今を生きている。人間の究極の目標を彼らは実に淡々と実行している。言わば我々の師とも言えるのである。その師に対してしつけをするのだから、それはそれは大変な努力を要するのだ。技術やオヤツで事なきを得ようというのはお門違いとさえ思うのだが如何。

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