第107回 『続ける功徳』

先日、三年程関わらせていただいている飼い主さんから服とズボンをいただいたのだが、その飼い主さんの言葉が面白い。

「先生はオシャレに興味ない、美味いもんも食わん、酒も飲まん、車もギャンブルもせん、で何が楽しいねんなぁ。」

・・・(笑)

確かに着る物はいつもワークマンだし、靴は二千円のノーブランドだし、玄米菜食で満足だし、アルコールは10年近く飲んでないし、パチンコは耳と頭が痛くなるし、競馬は馬が可哀想で仕方がないと思ってるし、今年で15年目のボロボロハイゼットカーゴが愛しくてたまらない。まぁ、世間の方からは変わりもんと映っても仕方がないのかもしれない。よくよく思い返すとその飼い主さんからは度々お菓子をいただいていたなぁ。・・・どうやら私は施しを受けていたようだ(笑)

「日々のルーティンをこなしてる時が楽しくて幸せを感じてますよぉ。」と笑ってお答えすると、「はぁぁ???」とその飼い主さんは解せないという表情である。でも本当だから仕方がない。

読経・写経・健康体操・ストレッチ・冷水浴。

以上が私のルーティンで、近頃では自宅の便所掃除が楽しいのでおそらくルーティンの項目に増えると思う。ルーティンをこなしていると気持ちと体が軌道修正されていくのを感じる。そしてどんな事に対しても前向きに捉える力がつき、初志貫徹力が身につくようになる。それはしつけや問題行動を改善するのにも威力を発揮するのだ。しつけに必要なのは一貫性である。技術は要らん。あった方がいいが、なくてもなんとでもなる。ないと困るのはルールを貫徹する意志の力なのだ。普段から多くの飼い主さんと向き合っているが、根気のない方や移り気の多い方、理屈ばかりの方はしつけに向かない。口先ばかりで意志薄弱なボスなんて動物の世界には存在しないし、人間の世界でもそんな上司や先輩や教師の下で動く人は不幸である。

なにか一つでもいいから習慣を作りましょう。ルーティンを作りましょう。続けるという事は忍耐であり、努力なのだ。努力する癖を作り、努力する愉しみを持ち、初志貫徹力を身につけましょう。自分に力量が備われば問題行動は霧消するでしょう。

 

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