第9回 「道心」

ワンポイントレッスンで仔犬のしつけ・飼育の指導等をさせていただく機会が多々あります。それについて日々感じていることがいくつかありますが、ここでは二点ばかりを挙げたいと思います。

まず一つめは「しつけ」ばかりにとらわれ頭でっかちになってしまって、犬の行動心理や習性に反した接し方をしてしまっている飼い主さんが多いこと。仔犬にすわれや待ては必要ありません。全く必要ありません。そんなものは何才からでも教えることが可能です。仔犬にはその時期にしか出来ないことを教えるべきです。その要点は三つです。

1 しっかりエサを食べさせる。

2 しっかり遊ぶ・しっかり運動をかける。

3 仔犬の体、仔犬の周りの環境を常に清潔にする。

以上の三点を厳守すれば大らかで精神状態が完璧に落ち着いた仔犬になります。

そして二つ目。あまりにも無知で無責任なペットショップの店員が多く、その店員の言葉を鵜呑みにしてしまっている飼い主さんが多いこと。言い方は失礼ですがペットショップの店員さんはしつけや訓練や犬の行動心理に関する知識や経験は素人と大差ありません。店員さんのアドバイス通りに飼育するとほぼ間違いなく発育不良になります。体の成長が遅れると精神の成長も遅れ、情緒不安定な仔犬になってしまいます。世間一般では伝染病の心配をする風潮が強いように思いますが、心の成長、脳の成長の方がそれの数倍否数十倍大切だと断言します。

我々訓練士はもちろん、ペットショップの方々も自覚を持つべきです。自分達の言葉が犬の運命を左右すると言っても過言ではないのです。

向上心を持ち勉強を続けていく。そして一人でも多くの飼い主さん、一頭でも多くの犬に幸せになっていただく。

道心を失わないよう、精進しかありません。

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